SvelteKit完全ガイド
SvelteKitは、SvelteをベースにしたモダンなフルスタックWebアプリケーションフレームワークです。Next.js(React)やNuxt(Vue)と同等以上の機能を持ちながら、より軽量で高速、そして優れた開発者体験を提供します。
なぜSvelteKitを学ぶべきか
🚀
パフォーマンスの優位性
- 最小バンドルサイズ: ~40KB(Next.js: ~70KB)
- ランタイムなし: コンパイル時最適化
- 高速な初期表示: 効率的なSSR/SSG
⚡
開発者体験の向上
- 型安全性: TypeScript完全対応
- ゼロコンフィグ: すぐに開発開始
- 統合ツールチェーン: Vite採用
🏢
エンタープライズ対応
- スケーラブル: マイクロサービス対応
- セキュア: 組み込みセキュリティ機能
- 柔軟: 様々なデプロイ環境に対応
学習ロードマップ
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推奨学習順序
- Svelte習得確認 - Svelte 5の基礎知識があるか確認
- ない場合 → 📚 Svelte基礎へ
- 🔰 基礎編 - SvelteKit概要、プロジェクト構造、特殊ファイルシステム、app.d.ts
- 🛤️ ルーティング - ファイルベースルーティング、動的ルート、ルートグループ
- 📊 データ取得 - Load関数の基礎、TypeScript型システム、データフロー、ストリーミングSSR
- 🏛️ アーキテクチャ詳解 - レンダリング戦略、パイプライン、内部動作の詳細理解
- ⚙️ サーバーサイド編 - フォーム処理/Actions、WebSocket/SSE通信
- 🏗️ アプリ構築編 - セッション管理、認証ベストプラクティス、状態管理、テスト戦略
- ⚡ 最適化編 - ビルド最適化、キャッシュ戦略
- 🚀 デプロイ・運用編 - プラットフォーム別デプロイ、実行環境とランタイム
- 🎉 本番運用開始
📖 学習コンテンツ
🔰
基礎編 - SvelteKitの基本を理解
ページ | 内容 |
---|---|
基礎編概要 | SvelteKitの基本概念 |
SvelteKit概要 | フレームワークの全体像 |
プロジェクト構造 | ファイル構成と規約 |
特殊ファイルシステム | +page、+layout、+serverの役割 |
$appモジュール | $app/state(推奨)、$app/navigation等 |
レンダリング戦略(基礎) | SSR/SSG/SPAの基本 |
app.d.tsの役割 | グローバルな型定義 |
🛤️
ルーティング - ファイルベースルーティング
📊
データ取得 - Load関数とデータフェッチング
ページ | 内容 |
---|---|
Load関数とデータフェッチング | データ取得の全体像 |
Load関数の基礎 | Universal LoadとServer Load |
TypeScript型の自動生成 | ./$typesによる型安全な開発 |
データフローの詳細 | 親子間のデータ共有とウォーターフォール |
SPAモードとデータ無効化 | CSRとデータ更新の制御 |
ストリーミングSSR | 段階的データ送信で高速化 |
データフェッチング戦略 | 実践的なパターンとベストプラクティス |
🏛️
アーキテクチャ詳解 - 内部動作を深く理解
ページ | 内容 |
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アーキテクチャ概要 | 内部動作メカニズムの全体像 |
レンダリング戦略(詳解) | SPA/MPA、CSR/SSR/SSG/ISR |
レンダリングパイプライン | コンパイルから実行まで |
アクセスログと分析戦略 | レンダリング戦略とログ |
データロードアーキテクチャ | Load関数の内部実装 |
ファイル構成と実行環境 | 各ファイルの役割と環境 |
ルーティング内部動作 | ファイルベースルーティング |
⚙️
サーバーサイド編 - バックエンド機能をマスター
ページ | 内容 |
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サーバーサイド処理 | アーキテクチャの全体像とファイルタイプ |
フォーム処理とActions | Progressive Enhancement、バリデーション |
APIルート設計 | RESTful API、認証、CORS、レート制限 |
Hooks | handle、handleFetch、handleError |
WebSocket/SSE | リアルタイム通信の実装 |
🏗️
アプリケーション構築編 - 実践的な実装
ページ | 内容 |
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認証・認可(準備中) | Lucia Auth、JWT、OAuth |
セッション管理と認証戦略 | Cookie/Session、JWT、ルートグループ |
JWT認証実装 | トークンベース認証、RBAC、ルートグループ活用 |
データベース統合(準備中) | Prisma、Drizzle ORM |
環境変数管理(準備中) | PUBLIC_変数、秘密情報 |
エラーハンドリング(準備中) | エラーページ、ログ戦略 |
テスト戦略 | Vitest、Playwright、E2Eテスト |
状態管理パターン | Store、Context API、グローバル状態 |
⚡
最適化編 - パフォーマンスを極める
ページ | 内容 |
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パフォーマンス最適化(準備中) | コード分割、遅延読み込み |
キャッシュ戦略 | HTTP、CDN、Service Worker |
SEO最適化(準備中) | メタタグ、構造化データ |
🚀
デプロイ・運用編 - 本番環境へ
ページ | 内容 |
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プラットフォーム別デプロイ | Vercel、Netlify、Node.js |
セキュリティ(準備中) | CSRF、XSS、CSP |
モニタリング(準備中) | Analytics、エラー追跡 |
学習の始め方
前提条件をチェック
# Node.jsバージョン確認(20.x以上推奨)
node --version
# 新規プロジェクト作成
npm create svelte@latest my-first-sveltekit-app
# → TypeScriptを選択
# → ESLint、Prettierを追加
# → Playwrightテストを含める
bash
Step 1: 基礎理解(1-2日)
- SvelteKit概要 - SSR/SSG/SPAの違いとSvelteKitの位置づけを理解
- プロジェクト構造 -
routes/
、+page.svelte
、+layout.svelte
の役割を把握 - 特殊ファイルシステム -
+page
、+layout
、+server
ファイルの役割を理解 - $appモジュール -
$app/stores
、$app/navigation
などの組み込みモジュール - app.d.tsの役割 - グローバルな型定義の設定方法を理解
Step 2: コア機能習得(3-5日)
Step 3: 実践的な機能(1週間)
- フォーム処理とActions - TODOアプリのCRUD操作を実装
- WebSocket/SSE通信 - リアルタイム通信の実装
- セッション管理と認証戦略 - 認証パターンを実装
- 認証ベストプラクティス - セキュアな認証実装
クイックスタートプロジェクト
// 最小限のTODOアプリで学ぶSvelteKit
// src/routes/+page.server.ts
import type { Actions, PageServerLoad } from './$types';
export const load: PageServerLoad = async () => {
const todos = await db.todo.findMany();
return { todos };
};
export const actions: Actions = {
create: async ({ request }) => {
const data = await request.formData();
await db.todo.create({
data: { title: data.get('title') as string }
});
}
};
typescript
推奨開発環境
⚙️
必須ツール
- Node.js: 20.x LTS以上
- TypeScript: 5.x以上
- VS Code: 推奨エディタ
🔌
推奨拡張機能
- Svelte for VS Code
- TypeScript Vue Plugin
- Prettier - Code formatter
- ESLint
- Tailwind CSS IntelliSense
🚀
プロジェクト作成
npm create svelte@latest my-app
cd my-app
npm install
npm run dev
📖 関連リソース
実際のプロジェクト例
SvelteKitで構築されたサービス
- Vercel Dashboard: デプロイ管理ダッシュボード
- GitPod: クラウドベースのIDE
- StackBlitz: オンラインコードエディタ
- Svelte公式サイト: svelte.dev自体もSvelteKit製
プロジェクトテンプレート
1. ブログサイト(初級)
// +page.server.ts
export const load: PageServerLoad = async () => {
const posts = await getPosts();
return { posts };
};
// +page.svelte
<script lang="ts">
let { data } = $props();
</script>
{#each data.posts as post}
<article>
<h2>{post.title}</h2>
<p>{post.excerpt}</p>
</article>
{/each}
typescript
2. ECサイト(中級)
- Stripeとの決済統合
- 在庫管理システム
- ユーザー認証・注文履歴
3. SaaSダッシュボード(上級)
- リアルタイムデータ更新
- マルチテナント対応
- WebSocket/Server-Sent Events
❓ よくある質問
Q: A: Next.jsとの違いは?
主な違いを比較します。
ビルドサイズ: SvelteKitの方が小さい(40-60%削減)
パフォーマンス: コンパイル時最適化により高速
学習曲線: SvelteKitの方がシンプル
エコシステム: Next.jsの方が成熟
Q: A: どのデプロイ先がおすすめ?
用途別の推奨プラットフォーム
静的サイト: Netlify、Vercel、Cloudflare Pages
動的アプリ: Vercel、Railway、Fly.io
エンタープライズ: AWS、Google Cloud、Azure
Q: SEO対策は十分?
A: はい、完全対応しています。
✅ SSR/SSGによる事前レンダリング
✅ メタタグの動的生成
✅ 構造化データのサポート
✅ サイトマップ自動生成
Q: 大規模プロジェクトに向いている?
A: 中〜大規模プロジェクトに最適です。
モノレポ対応: pnpm workspaces対応
型安全性: TypeScript完全統合
テスト: Vitest、Playwright統合
CI/CD: GitHub Actions、GitLab CI対応
開発のベストプラクティス
プロジェクト構成
src/
├── routes/ # ページとAPI
├── lib/
│ ├── components/ # 共有コンポーネント
│ ├── server/ # サーバー専用
│ └── stores/ # グローバルストア
├── hooks.server.ts # ミドルウェア
└── app.d.ts # 型定義
null
パフォーマンスチェックリスト
- 画像の最適化(@sveltejs/enhanced-img)
- コード分割の適切な実装
- プリロード・プリフェッチの活用
- キャッシュヘッダーの設定
- Critical CSSのインライン化
次のステップ
基礎から始める方: 概要とアーキテクチャ でSvelteKitの全体像を理解
すぐに実装したい方: ルーティング で実践的な実装を開始
特定の機能を学びたい方: 上記の学習ロードマップから必要なセクションを選択
Svelteから来た方: プロジェクト構造 でファイル規約を理解
学習のコツ
SvelteKitは「規約重視」のフレームワークです。まずファイル構造と命名規約を理解することが、効率的な学習の鍵となります。
TypeScript推奨
このガイドは全てTypeScriptで記述されています。型安全性を最大限活用することで、エンタープライズレベルの堅牢なアプリケーションが構築できます。
Svelte 5前提
このガイドはSvelte 5とSvelteKit 2.x以降を前提としています。古いバージョンを使用している場合は、まず Svelte 5完全ガイド で最新のRunesシステムを学習してください。