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用語集

PDF Agent Stack の文書とツール出力に現れる用語をまとめています。定義は ISO 規格の用語と衝突しないよう、規格側の意味に従います。

主張の強さに関わる語

この 3 つを混ぜないことが PDF Agent Stack 全体の設計思想です → 全体構成と責務

用語定義
宣言 (declaration)ファイルが自分で書いたラベル(XMP の pdfaid / pdfuaid。「私は PDF/A です」)。書いてあることは証拠にならない。writer の ensure_pdfa / ensure_tagged が書くのはこれ
準拠 (conformance)規格どおりであること。全部を証明する手段はなく、規格破りを見つけることしかできない。「準拠している」と言い切れる立場は誰にも無い
検証 (validation)検証器(veraPDF など)が、自分の持っている検査項目で見た結果。パスは「この検査では落ちなかった」であり、規格に準拠している、ではない
観測 (observation)ファイルに何が書かれているかの事実。合否を含まない(reader の全出力)
判定 (verdict)規格・ポリシーに照らした合否(verify の出力)。観測から自動的には出ない

言い切り強度 — T1 / T2 / T3

検証結果をどこまで強く言えるかは、規範文書が手元にあるかで決まります。verify の出力にはこの tier が付きます。

Tier規格言える強さ根拠
T1ISO 32000-1/-2、ISO 14289 (PDF/UA)条文を引用して言い切るコーパスにあり原文を引ける
T2ISO 19005 (PDF/A)「veraPDF が COMPLIANT と判定した」とだけ言うコーパス外。判定は veraPDF に委譲
T3ETSI EN 319 142 (PAdES)構造の観測として「B-LT 相当の構造」と言う。準拠とは言わないコーパス外かつ第三者検証器も無い

T3 のレポートには normativeBasis: "T3" が付き、観測であることが機械可読になっています。

basis — 位置情報の根拠

reader が矩形を返すとき、その座標がどこから来たかを示します。強さの違う主張を同じ顔で返さないための機構です (locate_objects / extract_structured_textinclude_bbox)。

basis意味強さ
annotation-rect注釈自身の /Rect正確
layout-attribute-bboxファイルが宣言する /BBox(ISO 32000-2 Table 379)自己申告。実測ではない
text-extent要素のテキストからの実測(ベースライン + ascent/descent = 行ボックス)実測。ただし画像・ベクター描画は寄与しない
page-boxオブジェクトがページ。その crop / media box正確だが粒度はページ
page-content-streamオブジェクトがページを描いている。矩形はページ全体で、変更箇所ではない粗い
page-resourceフォント・画像などのリソース。矩形は存在しないrect: null該当なし

規格・技術用語

用語定義
PAdESPDF の長期署名プロファイル (ETSI EN 319 142)。B-B / B-T / B-LT / B-LTA の 4 レベル
LTVLong-Term Validation。失効情報等を文書に格納し、証明書の期限後も検証を可能にする
DSSDocument Security Store。LTV のための検証データ(証明書・OCSP・CRL)を格納する辞書
DocMDP認証署名の変更許可レベル(ISO 32000-2 Table 257)。P=1 は何も許可しない / P=2 はフォーム記入と署名 / P=3 は加えて注釈操作
増分更新 (incremental update)ファイル末尾への追記による更新(ISO 32000-2 §7.5.6)。PDF として正当な操作であり、それ自体は改ざんを意味しない
信頼アンカー (trust anchor)署名者の証明書チェーンを検証する起点となる証明書。未設定なら「valid」は暗号計算の一致のみを意味する
タグ付き PDF構造ツリー(StructTreeRoot)を持ち、論理コンテンツ順と役割が機械可読な PDF。PDF/UA の前提
Artifact論理コンテンツに属さないページ装飾(ページ番号・柱など)。ISO 32000-2 §14.8.2.5 NOTE 3 により読み順の外に置かれる。日常語の「成果物」ではない
ActualTextグリフ列の置換テキスト(ISO 32000-2 §14.9.4)。合字やハイフン処理された語を見た目どおりに読ませる。説明ではない
Altテキストを持たない内容の説明(§14.9.3)。ActualText と違い本文には混ぜない
veraPDFPDF/A・PDF/UA のオープンソース検証器。PDF Agent Stack が T2 の判定を委ねる先

判定・運用の語

用語定義
4 値判定evaluate_policy が下すポリシー判定: trust_and_use(そのまま利用可)/ use_with_caution(留意事項付きで利用可)/ human_review_required(人間の確認が必要)/ reject(受け入れ不可)。同じ事実と同じプロファイルからは常に同じ値
firedRules4 値判定で発火したルールの ID と理由。結果の説明に使うもので、判定の上書きには使わない
advisory判定に影響しない推奨。不在は合格を意味しない
needs_external_factvalidate_clauses の状態の一つ。ファイル外の事実が与えられず判定しなかった(pass に倒さない)
tracevalidate_clauses の失敗印の一つ。条文が PDF 処理系に向けたもので、誰かが破った痕跡ではあるが最後に書いた者とは限らない
判定不能 (indeterminate)反証も立証もできなかった状態。「問題なし」ではないverify_integrity の violationAssessment 等)

本サイトの基本用語(AI・開発)

PDF 規格の用語ではありませんが、本サイトが説明なしに使う語をここにまとめます。

用語定義
MCP(Model Context Protocol)AI アプリケーションに外部ツールを接続するための標準規格。MCP サーバーはこの規格で機能を提供するプログラム
SkillAI エージェントに読ませる手順書。ツールの呼び出し順序・結果の読み方・報告の形式を定型化する(Claude の機能名でもある)
決定論的 (deterministic)同じ入力なら常に同じ結果を返すこと。LLM の生成(確率的で答えが揺れうる)の対概念
ルールエンジン入力の事実を固定の規則表に当てて自動判定する仕組み。evaluate_policy の実体
反証「正しい」と証明するのではなく「誤りを 1 つ示す」こと。規格どおりであることは証明できず、規格破りを見つけることしかできない
コーパス手元に集めた仕様原文の束。pdf-spec が検索・引用の根拠にする
ナラティブ説明の文章。「ジャッジはコード、ナラティブは LLM」= 判定はコードが下し、LLM は説明だけを書く
フォールバック本来の手段が使えないとき、代替手段に切り替えること(例: veraPDF が無ければ内蔵ルールへ)
縮退動作一部のツールが欠けても、できる範囲に機能を絞って動き続けること。欠けた項目は「未実施」と明記する
トークンLLM が文章を扱う単位(およそ数文字)。AI に渡す量・費用の単位になる
コンテキストLLM が一度に読める作業記憶。本サイトで「文脈の無駄遣い」と言うときはこの意味
構造化エラーcode(種類)・next_actions(次にすべきこと)・retryable(再試行可能か)を持つ機械可読なエラー。AI が文言を推測せずに復帰できる

図の読み方(形の凡例)

本サイトの構成図(Mermaid)は、要素の種別を形で区別しています。

意味
角丸行為者(AI エージェント)・到達点(納品・利用など)
六角形Skill(手順・編成)
二重枠MCP サーバー
平行四辺形入力(対象の PDF など)
円筒外部リソース(仕様コーパス・veraPDF)
ひし形分岐・判断

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