下図は、WebSocketを使用したチャット・メッセージングシステムの基本構成を示しています。この図では、複数のクライアントが WebSocketサーバーを介して相互に通信する様子を表現しています。

図の構成要素

• クライアント層: 各ユーザーのWebSocketクライアント
• WebSocketサーバー: 接続管理とメッセージルーティングを担当
• データベース: メッセージ履歴とユーザー情報の永続化
• 通知エンジン: オフライン通知の処理
• 認証システム: ユーザー認証と権限管理

データフローの詳細

1. ユーザーがメッセージを送信
2. WebSocketサーバーがメッセージを受信・検証
3. メッセージをデータベースに保存
4. 該当するルームの全メンバーに即座に配信
5. オフラインユーザーには通知エンジンが処理

既読情報の追跡

1. メッセージ既読の記録

   • ユーザーごとの最終既読メッセージIDを管理
   • 既読タイムスタンプの保存
   • 複数デバイス間での同期

2. 既読通知の配信

   • 送信者への既読通知
   • グループチャットでの既読者リスト
   • 既読率の表示

3. パフォーマンス最適化

   • 既読情報の効率的な保存方法
   • 大規模グループでの既読管理
   • キャッシュ戦略の実装

未読管理の実装

• 未読カウントの計算: 最終既読位置から新着メッセージ数を算出
• 通知バッジの更新: リアルタイムでの未読数表示
• 既読時の同期: 複数デバイス間での未読状態同期

1. 接続管理

• ハートビート/Ping-Pong: 30秒間隔での接続状態確認
• 自動再接続: 指数バックオフによる再試行（1s → 2s → 4s → 8s）
• 接続プール: 効率的なリソース管理と負荷分散

2. メッセージ配信保証

• At-least-once配信: 重要なメッセージの確実な配信
• Idempotency: メッセージIDによる重複処理防止
• オフライン配信: 7日間のメッセージ蓄積

3. セキュリティ

• 認証トークン: JWTベースのセッション管理（有効期限1時間）
• レート制限: 1ユーザーあたり毎分60メッセージまで
• 暗号化: WSS (WebSocket Secure) + TLS 1.3の使用

4. 監視・運用

• メトリクス収集: 接続数、メッセージレート、レスポンス時間
• アラート: 99%ile レスポンス時間 > 100ms で通知
• ログ分析: 構造化ログによるトラブルシューティング

パフォーマンス指標

• 接続数: 1サーバーあたり10,000接続まで
• メッセージレート: 毎秒10,000メッセージ処理
• レスポンス時間: 平均50ms以下
• 開発工数: 基本機能2週間、本格運用6週間