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Context Window — 上限と安全に使える範囲
NOTE
一言で言うと: Context Window とは、LLM が一度に処理できる Context の上限である。単位はトークン数である。 上限まで使ってよいわけではない。容量が残っていても、入力が増えるほど品質は下がる。
Context Window とは何か
Context Window(コンテキストウィンドウ)とは、LLM が一度に処理できる Context の最大サイズである。
| モデル | Context Window サイズ |
|---|---|
| Claude Sonnet 4.6 / Opus 4.6 | 1M トークン(200K 超も標準料金の場合あり) |
| Claude Sonnet 4 / Opus 4 | 200K トークン |
| GPT-4o | 128K トークン |
| Gemini 2.5 Pro | 1M トークン |
数値はモデルと時期により変わる。設計の前提として重要なのは、具体的な桁そのものより、「有限である」「製品を問わず有限である」という点である。
TIP
開発者向けの比喩: Context Window はプロセスに割り当てられたメモリ空間である。サイズを超えると OOM するのと同じように、Context Window を超えるとトークンが切り捨てられる。
なぜ重要か
上限はモデルによって異なる。ただし上限まで使ってよいわけではない。
容量が残っていても、入力が増えるほど出力品質は下がる。Context Window は「使える最大量」ではなく、「そのうち品質を保てる範囲はもっと狭い」と理解する必要がある。
常駐指示を短くする、条件付きで読む、別セッションで分ける、といった設計は、すべてこの制約への応答である。
「大きければ安全」ではない
ここが最も重要な点であり、Part 1 で学んだ構造的問題との接続点になる。
Context Window は「容量いっぱいまで使える」のではなく、「容量のうち、品質を保てるのは一部」である。1M に拡張されても、この原則は変わらない。定量的な配分は コンテキスト予算 で扱う。
Part 1 の問題との接続
- Context Rot: トークン増で品質が劣化する。Window が広くても、長い入力そのものが原因になる。
- Lost in the Middle: 中間部の情報が参照されにくくなる。長い Context ほど中間が死角になる。
- Priority Saturation: 同時指示が増えると遵守率が落ちる。常駐枠を厚くすると起きやすい。
代表例: Claude Code の機能と Context Window
以下は Claude Code における代表例である。同じファイル名やコマンドが他ツールにあるとは限らない。対応するのは機能名ではなく、役割である。
| Claude Code の機能 | Context Window に対する戦略 |
|---|---|
| CLAUDE.md の行数制限 | 常駐する Context を最小限に抑える |
.claude/rules/ | 条件一致時のみ Context に注入する |
| Skills | 必要時だけ Context を消費する |
| Agents | 別の Context Window で実行する |
/compact | Context を圧縮して空間を回復する |
/clear | Context をリセットする |
| Hooks | Context を一切消費しない |
製品に依存しない原則の抽出は Part 11 で行う。
3概念の関係
| 概念 | 一言で | 開発者向けの比喩 |
|---|---|---|
| Token | LLM の処理単位 | メモリのバイト |
| Context | LLM への入力全体 | HTTP リクエストボディ |
| Context Window | 入力の最大サイズ | プロセスのメモリ空間 |
Token は単位、Context は中身、Context Window は上限である。設計で操作するのは、主に Context の中身と長さである。
次に進む前に
上限と安全域を押さえたうえで、次は Context が時間方向にどう膨らむかを見る。Chat / Session が、その「時間の入れ物」である。