複合構成パターン
MCP × Skill × Agent の組み合わせパターンと設計指針を整理する。
このドキュメントについて
MCP単体、Skill単体でも価値はあるが、組み合わせることで初めて発揮される価値がある。本ドキュメントでは、4つの複合構成パターンを定義し、それぞれの設計指針・発動コンテキスト・活用事例を整理する。
MCP構築戦略は mcp-roadmap.md、Skill構築戦略は skill-roadmap.md を参照。
4つの複合構成パターン
| パターン | 構成 | 核心 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| MCP + Skill | 1 MCP + 1 Skill | データ取得 + 判断基準 | ★★☆ |
| MCPs | 複数 MCP | データの統合・比較 | ★★☆ |
| Skills | 複数 Skill | 知識の重ね合わせ | ★☆☆ |
| MCPs + Skills | 複数 MCP + 複数 Skill | 完全なワークフロー | ★★★ |
パターン1: MCP + Skill
MCPが外部から取得した「生データ」を、Skillが持つ「判断基準」で評価する構成。ハイブリッド構成の基本形。
設計原則
MCPは「何が書いてあるか」を返し、Skillは「それが良いか悪いか」を判断する。この分離が重要。
具体例
電子署名法コンプライアンスチェック
| 要素 | 役割 |
|---|---|
hourei-mcp | 電子署名法の条文テキスト取得(MCP) |
rfcxml-mcp | RFC 3161の技術要件取得(MCP) |
| 電子署名法 Skill | 法的要件 ↔ 技術要件のマッピング基準(Skill) |
OAuth/JWT 実装レビュー
| 要素 | 役割 |
|---|---|
rfcxml-mcp | RFC 6749(OAuth 2.0)/ RFC 7519(JWT)の仕様取得 |
| OAuth/JWT Skill | トークン管理のベストプラクティス、実装パターン |
設計上のポイント
- Skillは MCPの出力に依存しない形で書く: 「hourei-mcpが返す JSON の
article_textフィールドを見る」のような実装依存は避け、「法令条文に以下の要件が含まれるか確認する」のような抽象的な記述にする - Skillの判断基準は検証可能にする: 「準拠している」「準拠していない」「判断できない(追加情報が必要)」の3状態を明確にする
候補一覧
| テーマ | MCP | Skill | 状態 |
|---|---|---|---|
| 電子署名法 | hourei-mcp + rfcxml-mcp | 実装ガイドライン | ⚡ MCP側は既存で対応可 |
| 個人情報保護法 | hourei-mcp | 対応チェックリスト | ⚡ MCP側は既存で対応可 |
| 電子帳簿保存法 | hourei-mcp | 保存要件チェック | ⚡ MCP側は既存で対応可 |
| GDPR | 規制テキストMCP(構想中) | DPIAチェックリスト | 🔲 未着手 |
| OWASP | 脆弱性DB MCP(構想中) | セキュリティレビュー基準 | 🔲 未着手 |
| OAuth/JWT | rfcxml-mcp | 実装パターン | ⚡ MCP側は既存で対応可 |
パターン2: MCPs(複数MCP連携)
複数のMCPから取得したデータを統合・比較・検証する構成。すでに workflows/patterns.md に実績がある。
設計原則
実績のある組み合わせ
| 組み合わせ | 用途 | 実績 |
|---|---|---|
| deepl-mcp + xcomet-mcp | 翻訳 → 品質評価 → 再翻訳 | 180ページ技術文書を1日で翻訳・$12 |
| rfcxml-mcp + w3c-mcp | RFC仕様 + Web API定義の統合参照 | WebSocket仕様確認ワークフロー |
| rfcxml-mcp + hourei-mcp | 技術仕様 × 法令条文のマッピング | 電子署名法 × RFC 3161 対応表 |
| pdf-spec-mcp + pdf-reader-mcp | PDF仕様参照 + 実ファイル検証 | PDF/UA準拠性検証 |
設計上のポイント
- 順序依存か並列可能かを明確にする: deepl → xcomet は順序依存、rfcxml + w3c は並列可能
- データ統合のロジックはAgent層が担う: MCPは生データを返すだけ。統合・判断はAgentの役割
パターン3: Skills(複数Skill組み合わせ)
コンテキスト(開発局面)に応じて複数のSkillを同時に発動する構成。
設計原則
コンテキスト別Skillセット
設計上のポイント
- Skill間の優先順位を定める: コードレビューセットでは、SOLID(原則)→ Clean Code(スタイル)→ Refactoring(改善)の順で評価する
- 「定義の一次ソース」ルール: スコープが重複する概念(例: SRP)は、一方のSkillを一次ソース、他方は参照とする
- セット全体をメタSkill化できる: 「コードレビューセット」自体を1つのSkillとして定義し、3つのSkillを内部で参照する構成も可能
パターン4: MCPs + Skills(完全統合)
複数のMCPと複数のSkillが協調する、最も複雑だが最も強力な構成。
設計原則
具体例
セキュリティ監査ワークフロー
| 層 | 要素 | 役割 |
|---|---|---|
| MCP | rfcxml-mcp | RFC 6455/6749 の仕様要件取得 |
| MCP | w3c-mcp | WebSocket API定義取得 |
| Skill | OWASP Skill | 脆弱性の判断基準 |
| Skill | OAuth Skill | 認証実装のベストプラクティス |
仕様準拠の品質ゲート
用語統一翻訳ワークフロー(実稼働例)
deepl-glossary-translation は、パターン4の実稼働例である。3つのMCPとSkillが協調して、PDF仕様書(ISO 32000-2)を用語統一された日本語に翻訳する。
| 層 | 要素 | 役割 |
|---|---|---|
| MCP | pdf-spec-mcp | 仕様書から71用語を構造的に抽出 |
| MCP | deepl-mcp | グロッサリー管理・翻訳実行 |
| MCP | xcomet-mcp | 翻訳品質スコア・エラー検出 |
| Skill | deepl-glossary-translation | 5ステップのワークフロー手順定義 |
このSkillが定義するのは「どのMCPを、どの順序で、どのパラメータで呼び出すか」という知識であり、ツールそのものではない。詳細は Skill実例ショーケース および ワークフローパターン9 を参照。
設計上のポイント
- Agent のオーケストレーションが鍵: どのMCPを先に呼び、どのSkillをいつ参照するかの判断はAgent層が行う
- MCP呼び出しの並列化: 独立したMCP呼び出しは並列実行してコンテキストウィンドウを効率的に使う
- Skillの発動タイミング: データ取得後にまとめて判断するか、逐次判断するかを明確にする
パターン選択ガイド
成果の蓄積
各パターンの実践結果は outputs.md に記録する。以下の情報を含める。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用パターン | 4パターンのどれか |
| 構成要素 | 使用したMCP・Skill |
| 入力 | 何を対象としたか |
| 成果 | 定量的な結果(時間・コスト・品質スコア等) |
| 学び | 改善点・次回への示唆 |
関連ドキュメント
- mcp-roadmap.md — MCP構築ロードマップ
- skill-roadmap.md — Skill構築ロードマップ
- workflows/patterns.md — 既存のワークフローパターン(パターン2の実績)
- concepts/03-architecture.md — MCP / Skill / Agent のレイヤー構造
- mcp/catalog.md — 構築済みMCPカタログ