III.2 MCP
本章の位置づけ
Skills は読むだけである。いまの法令、いまの訳、いまのスコアは、外から取る。MCP は、その接続を担当する層である。サーバの作り方と目録は、下の各ページに残してある。
2.1 何をつなぐか
Claude に「RFC 6455 のこの節は何か」と聞くと、学習の記憶から答えることがある。節番号がずれることもある。原文へつなぐと、答えに出典を付けられる。
MCP は Model Context Protocol の略である。モデルを、外のツールやデータへつなぐ共通の決まりである。Anthropic がまとめ、公開している。たとえ話で USB に似ると言われることがある。本書では、たとえより担当で見る。外の事実と操作を取る層である。
提供するものは、主に次の三つである。
| 提供 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| Tool | 実行できる操作 | RFC の構造を取る、文章を訳す、品質を採点する |
| Resource | 読めるデータ | ファイル、レコード、仕様の一節 |
| Prompt | 使い方の型 | 決まった聞き方のひな型 |
2.2 なぜ接続を標準にするか
以前は、モデルの数とツールの数を掛けただけのつなぎ方が要った。MCP は、その掛け算を足し算に近づける。モデル側はクライアント、ツール側はサーバ、と分ける。
中は次の三つで動く。これは五層そのものではない。MCP という規格の内側である。
| 役割 | 担当 | 開発者が触るか |
|---|---|---|
| Host | 画面とセッション。Claude Code など | 使う側 |
| Client | サーバの発見と通信 | 普通は Host に内蔵される |
| Server | ツールとデータの提供 | 作る側 |
開発者が書くのは、多くの場合サーバである。クライアントを自分で実装しなくてよいことが多い。
エージェント同士が話すのは A2A の担当である。MCP がつなぐ先は、ツールとデータである。手と、他者、と分けると分かりやすい。両方要ることがある。
2.3 五層の中での位置
正確さ、新しさ、原文へたどれることは、つないで補う。法令、RFC、W3C 仕様が、その例である。このリポジトリで触れる自作のサーバは、RFC、W3C、翻訳品質、法令など、原文のある領域が多い。一覧は カタログ を見る。
つなぐことは、答えがいつも正しいこと、公式の解釈をする権限、法的責任をシステムが負うことを、保証しない。それは第I部で決めた。
何でも MCP にしてはならない(MUST NOT / してはならない)。判断が要らない処理は、普通のプログラムでよい。人間が自分で見る操作は、公式の CLI のままでよい。決まりの文書は Skills である。
ツールの説明を、起動時に全部載せるを、しない方がよい。説明文は、コンテキストの固定費になる。必要なときだけ読む。仕組みは姉妹資料 Part 6: ツールコンテキスト を見る。
2.4 この先のページ
| 知りたいこと | ページ |
|---|---|
| 何を作ったか | カタログ |
| サーバの作り方 | 開発 |
| つなぎの安全 | セキュリティ |
| 意味の層 | Semantic Layer |
| 出典どおりかの検証 | Verifiable MCP |
| Skills との切り分け | MCP vs Skills |
2.5 要約
MCP は、外のツールとデータへつなぐ。推測と原文を分けるために置く。規格の Host / Client / Server は、五層の別名ではない。原文は MCP、決まりは Skills、物差しは Doctrine である。
どの資源を読むか書くかの整理は、全体地図 の資源×アクセスを参照する。
関連ドキュメント
本章は層の定義と境界である。カタログと開発は次を見る。
- カタログ
- セキュリティ
- Semantic Layer
- 開発
- Verifiable MCP
- 全体地図 — 資源の種類と読む/書くの分離
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