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IV.4 プロンプトの分解

本章の位置づけ

よいプロンプトは、もともといくつかの関心の束である。本章は、その束を五層の住所へ分ける。言い回しの技法は扱わない。平坦な文が劣化する仕組みは、姉妹資料が持つ。

4.1 プロンプトは、一枚のスナップショットである

「あなたは慎重なレビュアーである。今回のこのファイルを見る。テストを通っていない変更は入れない。表で返せ」は、一つの文に見える。中には、役割、今回の対象、禁止、形式が同居している。

同居は、その回には便利である。会話が終わると消える。次の回に、また全部書くことになる。長いほど、最初の禁止は薄れ、真ん中は読まれにくくなる。処方箋は、もっと長いプロンプトではない。安定した条件を、層へ移すことである。

プロンプトと設計は、どちらか一方ではない。層は、プロンプトの代わりではない。毎回言わなくて済むようにする、住所である。残るプロンプトは、「今回だけ新しいこと」になる。痩せる。

4.2 七つの条件

役割、前提、目的、入力、処理と制約、出力の形、例と確認。指定しない軸は、モデルが自分で埋める。埋めた場所が、回ごとにずれる。

RTF や CO-STAR など、既存の枠も、同じ関心を指している。違いは、それらが一つの入力の中の書き方だということである。本書は、書いたあとにどこへ住ませるかを決める。

条件主な住所今回限りなら
役割Agent(誰として見るか)プロンプトに残してよい
前提Memory(何が起きたか)と Skills(何が真か)今日だけの背景はプロンプト
目的Doctrine
入力MCP(取る)貼り付けは、平坦にした形
処理と制約Doctrine(線)と Skills(手順)
出力の形Skills一回きりの形はプロンプト
例と確認Skills(例)、Doctrine(合格の線)、Agent(確かめる行為)

対応は、きれいに一対一ではない。制約は Doctrine、手順は Skills、と割れる。前提は、「何が真か」なら Skills、「何が起きたか」なら Memory、である。

4.3 寿命が、住所を決める

種類の次に、どれだけ持たせるかを見る。

寿命住む場所
この会話だけプロンプト今日のこのファイル、今日の依頼
プロジェクトのあいだDoctrine、Skills、CLAUDE.md規約、合格の線、役割
案件をまたぐ関係Memory前回どう決めたか

毎回、役割も規約も形式も例も貼り直すのが、避けたい形である。安定した指示と、今回の依頼が席を奪い合う。移せるものは移す。残すのは、今回新しいものだけにするのがよい(SHOULD / するのがよい)。

目的を毎回書いているなら、Doctrine がまだ無いサインである。入力を毎回貼っているなら、MCP で取れる形になっていないサインである。

4.4 要約

よいプロンプトの中身は、七つの条件の束である。束を、寿命と種類で五層へ分ける。プロンプトは消えない。今回のことだけを運ぶ文に痩せる。層は、その住所である。

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